冬場の住宅結露対策(10)
(2018年02月20日)2月もあと8日で、3月を迎えますね。寒さもあと少しといった感じで、現場仕事の職人さん方々の表情も緩んでいます。
さて、今までの話を簡単に総括しますと、以下の様になります。
(1)室内の家具などは、壁から5㎝以上あけておくと表面結露は防げる。
(2)水蒸気(湿気)は、温度によってその状態でいられる量が決まっているので、暖房時の相対湿度を概ね50%に保ち、必要以上の加湿はしない事。
(3)内部結露の対策は、室内側の防湿シートの念入りな施工をする、断熱性能を上げる、外断熱にすることが効果的。
(4)家の中で各居室温度変化を柔らかくして(概ね5℃以内に保つのが望ましい)、換気システムに過信せず、2時間に1回は換気をすること。
以上の4つの点に集約されます。
これらのことから、北側で日の当たらない非暖房室などの場所で結露は起きてはいるのですが、実際は、以下の2つの自助機能によって、結露が無害化されています。
1つ目は、材料である木材は「水分を給排出する」という機能を持っていることから、建物内の木材が発生した水蒸気や結露水を吸着して、温暖な季節になると乾燥放出および発散を繰り返すという機能です。
2つ目は、住宅には「相当隙間面積」という、最低限の隙間が存在するので、そこからも水蒸気や結露水が発散されるという機能です。
昨今は、高気密高断熱住宅が主流となってきました。これらの住宅は、気密性が高いがゆえに、上記の2つの自助機能が働きにくくなります。
そのため、それらを人為的に補佐する機能を持った家づくりにしなければなりません。
さて次回は、いよいよ冬場の結露対策シリーズの最終回です。
最終回は、表面結露についてあらためてお話します。
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