イギリスの飛行機雲
(2019年03月28日)イギリス・リバプールの冬空には、たくさんの飛行機雲を見ることができます。この写真は1月末の午後3時ごろに撮ったものです。薄っすらと月が見えています。
冬のイギリスは日没時刻が午後4時ごろ。ちなみに日出時刻は午前8時ごろなので、日照時間が短いことでもよく知られています。冬空のよく晴れた日は、このように飛行機雲がたくさん見えることもイギリス名物といえるのではないでしょうか。飛行機雲を見つけると、つい見入ってしまいます。パイロットたちが空に飛行機雲でデザインしているようにも思えてきます。
先日、雲ひとつない快晴の空に7本の飛行機雲を発見しました。なぜ、リバプールの空ではこれほどの飛行機雲が見えるのでしょうか。リバプールにはリバプール・ジョン・レノン空港という国際空港があり、イギリス国内路線やヨーロッパ圏内、アフリカ路線の就航により、たくさんの飛行機がリバプール上空を飛んでいるからです。
飛行機雲はどうしてできるのか、ご存知ですか?飛行機雲は地面から6000m以上の高度で飛んでいる間にエンジンから出る排気ガスが凍ってできたものと、飛行機の主翼端で発生する空気の渦が大気中の水分を冷やし、雲を作り出したものとの2種類があります。
排気ガスが凍るとはどういうことなのかというと、気温は地面から100m高いところでは0.6℃地上の気温より低くなっています。地面から6000m以上高い所の気温は、地上の気温より36℃以上低くなります。
このことから、地上の気温が5℃のとき、高度6000mの気温はマイナス31℃です。飛行機のエンジンから排出される排気ガスの温度は300℃以上であることと、排気ガスには少量の水分が混ざっていることから、排気ガスに含まれる水分が外気の低い温度により凍って氷の結晶になります。これが地上からは白い筋に見えるのだそうです。
地上の気温が低いと、氷の結晶が長く残るので、飛行機雲として見える白い筋は長い時間見ることができます。地上の気温が高いと高度6000m以上でも気温が高くなるので、排気ガスに含まれる水分が氷の結晶になっている時間は短くなり、飛行機雲の白い筋が見える時間も短くなるのだそうです。
これからどんどん暖かくなるので、飛行機雲がどのように見えるのか楽しみです。
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