冬場の住宅結露対策(2)【家具の背面結露の発生原理】
(2018年01月26日)今日は、前回の家具の背面結露の発生理由について、簡単にご説明いたします。
暖房が効いている部屋では、家具は一種の断熱材代わりになっていて、その家具(タンス等)の後方空気を温めません。
そうすると、その空気は外気の影響を受け、同じ部屋内でも温度差の大きい箇所が出来る事になります。
この温度の違いが結露を生じます。
上図(A)のように、家具を壁にピッタリと置いた状態でも、実際には壁との隙間が若干できています。
この家具背面の空気は“重く”、逆に温められた部屋の空気は“軽く”なります。
そして家具が床直に置いてある為、冷えた重い空気の逃げ場がありません。
そうすると冷えた重い空気が、暖かく軽い空気を跳ね返してしまう為、家具背面の空気は相対湿度がぐんぐん上がり、やがて空気中の水蒸気が“水”という形となって、姿を現します。
(B)のように壁面と床面に、それぞれ5㎝、2㎝程度の隙間を設けると、家具の背面にあった重い空気は床面の隙間に押し出されて、重い空気と軽い空気の対流が発生します。
そうして、家具の背面と部屋の空気の温度差がなくなります。
ただし、床の通気層を設けたとしても、壁面と家具の距離が少ないと、重い空気同士の摩擦で空気は動かないので要注意。
最低でも5㎝以上は必要です。
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