冬場の住宅結露対策(7)【内部結露とは?】
(2018年02月02日)今日もお疲れ様でした。
まだ仕事をされている方は、あともう一息ですね!
さて今日は、内部結露の発生箇所とその対策について簡単にご説明いたします。
昨日までの復習です。
温度ごとに空気中の水蒸気(10,000分の1mm)限界量は決まっていて、温度が高い程水蒸気を多く蓄えられます。
温度と比例関係にあります。
この時の水蒸気の限界状態の温度を飽和水蒸気温度と言います、又は露点温度とも呼びます。
では、本題です。
上の図は充てん内断熱の壁構造です。
Ⓔが室内側、ⓐが外気側です。
この時、水蒸気を含んだ空気はⒺからⓐに向かって流れます。
もし、上の図と異なり断熱材が入っていない場合は、外壁材ⓐの裏面(室内側に面した部分)は外気温に限りなく近くなります。
当然、室内から入ってきた暖かい空気は冷やされ、露店温度に達しているであろう外壁材ⓐの裏面に触れ、そこで水となって出現します。
一方、上の図のように内断熱の構造を持つ壁面では、まず防湿シートⒹによって、かなりの水蒸気がここでカットされます。
数値的に表すと非常に話が長くなるので敢えて数値化しませんが、カットします。
さらに、この強敵な防湿シートⒹをかいくぐって進んだ湿気は、断熱材Ⓒによってさらにカットされます。
断熱材Ⓒを通り越した(かなり少ない)湿気は、外壁材ⓐの裏側に出て、水蒸気となって拡散するか水となって滴り落ちるという結果になります。
この過程において、それぞれの境界面(たとえばⒺとⒹ、ⒹとⒸ、Ⓒとⓑ、ⓑとⓐ)が結露となるターニングポイントです。
当然、それぞれの境界面Ⓔからⓐにむかって温度は降下していきます。
その過程で、露店温度に達した境界面のどこかで結露が発生します。
Ⓓ~ⓑの間で発生した結露のことを“内部結露”と呼びます。
断熱材が入っている場合でも、Ⓒのすぐ後ろ(Ⓒ~ⓐの境界面)で結露が発生します。
ただし、ⓑまで進んできた湿気は、強敵防湿シートⒹによってかなり少なくなっているので、露店温度も当然低くなっています。
よって、都市部または温暖地域では、結露する前に通気層を通って拡散するため、問題にはなりません。
ここで重要なことは、防湿シートⒹの性能とその綿密な施工精度です。
近年の充てん断熱材(グラスウール)は、表面に高性能なポリエチレンシートを施してあるため、施工会社に綿密で丁寧な仕事をしてもらうことが対策となります。
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